MTF技術コラム 第3回(最終回)HUD(ヘッドアップディスプレイ)・空中像は、“見える”だけで十分でしょうか?
平素より大変お世話になっております。
アフロディ株式会社です。
HUD(ヘッドアップディスプレイ)や空中像、プロジェクターでは、映像が表示できること自体に注目が集まりがちです。
しかし、実際の製品では、
文字が瞬時に読めるか
アイコンの輪郭が明確か
画面中央と周辺で見え方が違わないか
焦点位置が変わっても鮮明か
空中に浮いた像を情報として認識できるか
という点が重要になります。
単に「像が見える」だけでは、実用的な表示とは言えません。
光学系を通ると、鮮明さは変化する
HUDやプロジェクター、空中像では、表示された像が複数の光学部材を通ります。
例えばHUDでは、
表示パネル
↓
投影レンズ
↓
コンバイナまたはウィンドシールド
↓
虚像
↓
運転者の目
という経路を通ります。
見た目だけでは、この差を正確に判断することは簡単ではありません。
この途中で、焦点ずれ、レンズ収差、拡散、位置ずれなどが起こると、文字やアイコンがにじんで見えます。
プロジェクターでは、中心部は鮮明でも、画面周辺では解像感が低下することがあります。
空中像でも、像は浮いて見えているものの、細かな文字や輪郭が読み取りにくい場合があります。
重要なのは「実効解像度」
このような表示では、パネル自体の解像度だけを見ても十分ではありません。
重要なのは、光学系を通った最終的な像が、どれだけ細部まで再現できているかです。
MTFを測定することで、MTFとは、文字や細線、輪郭の鮮明さを数値で評価する指標です。
HUDの虚像の鮮明さ
中心部と周辺部の差
焦点位置による変化
プロジェクターのフォーカス状態
空中像の輪郭・文字の再現性
光学系変更前後の改善効果
を定量的に比較できます。
MTF-33Sは、実効解像度評価のプラットフォームへ
MTF-33Sとは
https://marketing.aphrodi.jp/storage/MTF-33S_202509Ver.pdf
IEC国際標準化制定済み:IEC 62977-3-6 Spatial resolution
MTF-33Sは、一般的な直視ディスプレイだけでなく、用途に応じた治具や測定構成を組み合わせることで、プロジェクター、HUD、空中像などへの展開が可能です。
MTF-33Sが評価するのは、単なる画素数ではありません。
最終的にユーザーが見る像が、どれだけ鮮明で、読み取りやすいか
を数値化します。
「見える」から「読める」へ。
「高解像度」から「実際に鮮明」へ。
これが、これからのディスプレイ評価で重要になると考えています。
【MTF技術コラム 第1回】はこちらをご覧ください。
【MTF技術コラム 第2回】はこちらをご覧ください。
編集後記・ご案内
アフロディでは、直視ディスプレイのほか、プロジェクター、HUD、空中像などを対象としたMTF評価についてもご相談を承っています。
今回で「MTF技術コラム」は最終回となります。
月は、新たに**「ぎらつき・防眩性」をテーマとした技術コラムシリーズ**をお届けします。
反射を抑えた画面でも、なぜ見にくく感じることがあるのか。
また、ディスプレイ表面のぎらつきや防眩性を、どのように評価すればよいのかを、3分程度で分かりやすくご紹介する予定です。
次回シリーズも、ぜひご覧ください。
■ ディスプレイ測定サービスのご案内
https://aphrodi.jp/
■ お問い合わせはこちら
https://aphrodi.jp/contact/
アフロディ株式会社では、ディスプレイ評価に関する豊富な経験と測定ノウハウを活かし、お客様の開発・品質評価業務をサポートしております。
ディスプレイMTF評価をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
