ペイントコーティングジャーナル 2021年 9月 1日号「”ぎらつき”を評価、抑制する ディスプレイ開発の最新動向を解説日本化工塗料/ アフロディ」の記事が掲載されました。
日本化工塗料とアフロディは8月24日、WEBセミナー「最先端ディスプレイ測定技術とアンチグレアコーティング剤の開発動向」の第1回セミナーを開催した。同セミナーは計3回の講座を通し、ディスプレイ開発の現状と品質評価のための測定法などについて解説するもので、第1回目の今回はディスプレイのぎらつきに対する定量化方法について紹介した。当日は材料メーカー、コンバーター、家電メーカーなど約70名が参加した。
第1部はディスプレイ測定機器の販売や技術サポートを手がけるアフロディの嶋秀一社長が登壇。ディスプレイにおける”ぎらつき”が起こる原理から評価法、評価の有効性について述べた。
ぎらつきは、画面に粒のように異なる色が混じる現象のこと。嶋氏はぎらつきの発生要因を「異なる輝度の画素が発生し、視覚度差によって起こる」と前置きした上で、「高解像化に伴いRGBのピッチ間が細かくなったことで隣の画素(色)を拾っている」とメカニズムを解説した。 また8K、16Kとディスプレイの高解像化に伴い、「ぎらつきに対する対策と定量評価が必要になる」と指摘。同社が扱うDM&S社の「SMS-1000」を含めたディスプレイ用ぎらつき測定器を紹介した。ぎらつきについては、2019年12月にJIS規格となる「ディスプレイのぎらつき度合いの求め方」(JIS C1006)が制定。国際規格も現在協議に入っており、嶋氏は実機を使ったぎらつき度合いを測るためのプロセスや評価法について紹介した。
続いて第2部は、日本化工塗料・高機能性材料部の清水大介氏がアンチグレアコーティングにおけるぎらつきの抑制手法について述べた。清水氏は、「樹脂と粒子の屈折率差が光を散乱・反射させ、映り込みを防止する」とアンチグレアコーティングのメカニズムを解説。その上で、「小粒径ほどぎらつきコントラストは低い傾向が見られた」と粒子の大きさや塗装膜厚、粒子の形状との関係性について説明した。 清水氏は「ぎらつき対策と映り込み防止はトレードオフの関係にあり、両立が課題となっている」と指摘。
その手法として、AG層の上にAR(低反射)層を加える仕様を示し、後のAGコーティング剤の開発に意欲を示した。
第2回は10月20日、「最新ディスプレイの解像度と鮮鋭度(白ボケ)測定方法」をテーマに行われる。